マスターの独り言(人生を語らず)

マスターの独り言(人生を語らず)

人生を語らず(101) 漂う者

なんとも寂しい夜じゃないか人通りもなく灯りも消えて僕ひとりが取り残されてしまったようなひとりで飲むほど酒好きじゃないんだ 本当はだからこんな夜をどうやり過ごせばいいのか誰か教えてくれないかどこか遠いところに行ってみるか夜をぶっとばしてみるか...
マスターの独り言(人生を語らず)

人生を語らず(100) つぶやき

いろいろありますねぇ いろいろありましたねぇ 悲喜こもごも ともかくいろいろあるんです 飄々と生きていければと 思いはするのですが これがなかなかどうして それでもどうにかこうにか まあなんとか しかし何と言いますか 一難去ってまた一難 人...
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人生を語らず(99) 決 意

あの頃はよかったなんて口が裂けても言うんじゃないぞ来し方を懐かしむにはまだまだ早いやりたいこといっぱいあるんじゃないのか死ぬまでにやりたいこと 書き出してみなよ何もないとか 一つ二つしかないなんてそんな寂しいセリフはなしにしようよ思い出も写...
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人生を語らず(98)旅に出たくなる地図Ⅱ

その頃はずっと旅をしていた 青函フェリーを降りて やっぱり函館の夜景ははずせないよね 君は感嘆の声をあげる ほんのちょっとしたいさかいから  口を閉ざしたまま 沈黙の時間が流れた ふて腐れて眠ったふりをしていた君が本当に眠ってしまったので ...
マスターの独り言(人生を語らず)

人生を語らず(97) 旅に出たくなる地図

その頃はずっと旅をしていた 目的地があったわけじゃない 山陰道をひた走りたどり着いた丹後半島伊根の舟屋 これからどうする? どうしようかねぇ もっと真剣にこれからのこと話さなきゃいけないっていうのに はずまない二言三言の短い会話  なんだか...
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人生を語らず(95)雨のレクイエム

こんな悲しい夜 屋根をたたく雨の音 大切なものをどこかに置き忘れた それは人として してはいけないことだった もはや僕に救済の手立てはない 雨のレクイエムを聴きながら ひとり静かに眠りたい 雨よ降れ 風よ吹け 僕の心に棲む悪魔を追い払え こ...
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人生を語らず(94) 無 題

僕はしがないフォーク酒場の店主 店を始めて2年半がすぎたおだてられたり誉められたり 批判されたり罵られたり いろんなことがあったけど今自分をみつめてただ一言 「お前、ずいぶん傲慢になったな」ドアが開くたびドキドキし「いらっしゃいませ」の声が...
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人生を語らず(96) Sの旗

人それぞれに人それぞれの人生があってどう生きれば正しいなんてことは言えない夢多い人もいれば おそろしく現実的な人もいる幸か不幸か僕は夢ばかりみてきた思い続ければ夢は必ず叶うと 夢を叶えた人は言うでもそれは違う 夢破れたドラマは枚挙にいとまが...
マスターの独り言(人生を語らず)

人生を語らず(94) あれから3年

あれから3年あれから3年あなたにとってどんな月日だったのか 僕は知らない深い結びつきだと思っていたけれど 崩れるときはあっけなく終わってみれば すべてが幻のようで二人過ごした日々が遠い記憶のかなたに消えてゆくあれから3年あなたの望んだ幸せを...
マスターの独り言(人生を語らず)

人生を語らず(93) 60歳ラプソディ

まさかね 自分が60になるなんて想像もできなかった60にもなれば世の中のこと隅から隅まで知りつくして泰然自若 はしゃいだりわめいたりなんてないんだと思ってましたよところがどうです 毎日が一喜一憂で右往左往のくり返し20(はたち)の頃と少しも...